ImsVIEW
使用方法 (Version 2011-0725)
- 右側上は、差分を取る機能です。
- 何故「差分を取る」のか?
- 同位体顕微鏡では、三次元(平面×時間)の位置に対するイオンの検出数を得ることが出来ます。ImageJでは、これをスタック画像(XY平面×奥行きZ)として扱います。各ピクセルの値は、検出器(SCAPS)の出力値です。
- 検出器(SCAPS)は、意図的にリセットしない限り出力値を維持するので、検出数は深さ方向に向かって増加し続けます。従って、スタック画像内の画像の差分を取ることにより、奥行きの単位辺りの検出数を得ることが出来ます。
- Total Imageは、スタック画像の1番上と一番底の値の差分(右グラフの緑色の値)を取り、更に深さ(右グラフでは9)で除算した画像を新たに作ります。この計算は、XY平面の全てのピクセルについて個別に行います。
- Set parameters...で、「depth」=「interval」=スタック画像の枚数、を指定した場合と同じ結果が得られます。
- Differentialは、右グラフのように複数回差分を求め、更にスタック画像を得ます。スタック画像の深さ(枚数)は、元スタック画像より1枚少なくなります。深さ方向に対し、単位辺りの検出数が得られます。
- Set parameters...で、「depth」=「interval」=1、を指定した場合と同じ結果が得られます。
- Set parameters...は、差分を取る方法を指定します。何枚奥の画像から引くか(depth)、そして、何枚おきに計算を行うか(interval)、を決めることが出来ます。
- 「Image Name」で、新しく作られる画像(スタック画像)の名前を指定できます。
- その下は、Depthです。差分をとる側(手前)ととられる側(奥)の距離を指定します。
- 「Interval」は、深さ方向の間隔を指定します。1なら全て、3なら深さ3枚おきに計算します。
- 「Noise Reduction」は、手前・奥の両方について指定した深さ分の平均値を求め、その差分を取ることで値を収束させます。
- 結果は全て、「z軸1単位辺り」の値になるよう、depth値で除算します。
- DepthとIntervalに1,2,3を指定した場合の例をグラフにしました。得られるスタック画像の値は、橙色の矢印の高さをdepthで除算したものになります。
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Interval = 1 |
Interval = 2 |
Interval = 3 |
Depth = 1 |
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Depth = 2 |
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Depth = 3 |
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- Preference...では、NoiseReduction機能とログ出力を設定し、記憶します。
- Log機能は、(x,y)=(0,0)に対する演算をLogウィンドウに表示します。内部でどのように計算しているか確認したいときに使ってください。
- ここで設定した値は、Total Image、Differential、Set parameters...の全てに反映されます。
- 右側中央は、バックグラウンド補正です。時間方向(Z軸)に対する「検出値のゆらぎ」を補正します。
- スタック画像に対して、何も検出されていないはずの場所をROIツールで選択してからSubtract backgroundを押します。
- 画像1枚ごと、画像全体からROIの平均値を減算します。これを全ての画像に対して行い、新しいスタック画像を作ります。
- 右側下は、深さ方向の位置補正機能です。
- XY平面の各ピクセルごとに、深さ(Z軸)方向にピクセルを押し出します。型取りゲージのような動作を三次元画像に対して行います。
- Use height mapは、別の画像を使用して位置補正を行います。
- 画像は、対象となるスタック画像のXY平面と同じサイズの二次元画像である必要があります。
- 各ピクセルの値を「高さ」として用います。値が整数ではない場合、移動量は線形補正します。
- Auto detectは、自動で位置補正を行います。
- スタック画像のXY平面の各位置に対し、奥側から手前に向かって走査していきます。ピクセルの値が閾値を超えたところを、その位置の高さとします。